2026年8月から、新しい挑戦として、自分の声を収益化する取り組みを始めました。AI音声サービスのイレブンラボ(ElevenLabs)に自分の声を登録し、ほかの人に使ってもらうことで報酬を得る、というものです。
この記事では、始めた理由、収入が入る仕組み、登録の手順、実際の収益、そして2か月でやめると決めた理由をお伝えします。
この記事の要点
- イレブンラボに自分の声を登録すると、ほかの人に使われた分だけ報酬が入ります。
- 始めた理由は2つ。手をかけずに続く収入が好きなこと、AIの領域で副業を持ちたかったことです。
- 手間がかかるのは、最初の登録作業(30分ほど)だけでした。
- 1か月目は2,670円が入金され、利用料を差し引いて690円のプラスでした。
- 2か月目は報酬が大きく減り、利用料を下回りました。
- 利用料を上回るほどの収入にはならないとわかったので、2か月でやめることにしました。
目次
なぜ自分の声の収益化に挑戦したのか
理由1:一度作業をすれば、あとは何もしなくていいから
僕は、一度作業をしてしまえば、その後はほとんど手をかけずに続く、放置系の収入の形が好きです。自分の声を登録しておけば、あとは使われるのを待つだけ。本当にそんな収入源になるのかを、自分で確かめてみたいと思いました。
理由2:AIの領域で、副業を持ちたかったから
もう1つは、AIの領域で、何か副業を持ちたいと考えていたからです。いまは、動画や音声のコンテンツで、AIの声を使う場面が増えています。その大もとになる声を提供すれば、利益が出るのではないか。そう考えて始めました。
イレブンラボとは
AIが文章を読み上げる音声サービス
イレブンラボは、入力した文章を、AIが自然な声で読み上げてくれる音声サービスです。日本語を含む多くの言語に対応しています。自分の声をAIに学ばせて、自分そっくりの声を作ることもできます。
どんな人が使っているのか
公式サイトによると、主な利用者は、動画などのコンテンツを作る人、アプリやサービスの開発者、小さな制作スタジオなどです。たとえば、YouTube動画のナレーションを、自分で録音する代わりにAIの声で作る、といった使い方があります。
声を選んで使える「ボイスライブラリ」
イレブンラボには、ボイスライブラリという仕組みがあります。利用者が登録した声が公開されていて、ほかの利用者は、その中から好きな声を選んで文章を読み上げさせることができます。僕が自分の声を登録したのも、このボイスライブラリです。
自分の声で収入が入る仕組み
声を公開し、使われた分だけ報酬が入る
自分の声を登録してボイスライブラリに公開し、ほかの人に使われると、その分の報酬が入ります。登録の具体的な手順は、後の「声を登録する手順とコツ」でまとめています。
報酬の対象は、有料会員が使った分だけ
報酬は、有料プランの利用者が僕の声を使った分から計算されます。無料プランの利用者が使った分は、報酬の対象になりません。たくさん使われるほど収入は増えますが、使われなければ収入はありません。
単価はイレブンラボが決める
報酬の単価は、イレブンラボが決めています。僕が自分で値段をつけることはできません。
自分で選べるのは、声を公開するときに決める「公開の約束期間」だけです。これは、声の公開をやめると決めたあとも、すでにその声を使っている人のために、公開を続けると約束する期間です(公式の名前は「通知期間」)。最短30日から最長2年まで選べます。公式の説明では、この期間を長くするほど、報酬の単価が上がります。
入金は自動で行われる
報酬の支払いには、Stripe(ストライプ)という決済サービスを使います。報酬が一定の金額(多くの場合10ドル)を超えると、6〜8日ごとに自動で支払われます。最初にStripeのアカウントを作り、税金に関する書類を提出しておけば、毎回申請する必要はありません。
声を作るには、クリエイタープランが必要
ボイスライブラリに公開できるのは、プロ品質の声(プロフェッショナルボイスクローン)だけです。この声を作るには、クリエイタープラン以上に入る必要があります。料金は、記事公開時点で月22ドル(税込3,960円)です。僕が申し込んだときは、初月が半額になるキャンペーン中で、1,980円(税込)でした。
声を登録する手順とコツ
登録の手順
イレブンラボの公式の説明をもとに、声を登録して、ボイスライブラリに公開するまでの流れをまとめます。
- 左のメニューから「ボイス」を開き、「+ボイスを作成」を押します。
- 声の作り方の選択肢が出てくるので、「プロフェッショナルボイスクローン」を選びます。自分の声をしっかり再現したいときは、これを選びます(クリエイタープラン以上で選べます)。
- 音声ファイルをアップロードするか、画面に表示される文章を読み上げて録音します。
- 必要に応じて、音声ごとの設定で雑音を取り除きます。
- 本人の声であることを確かめる認証を受けます。録音したときと同じマイク、同じ話し方で行うのがコツです。
- 声の学習が終わるのを待ちます。公式の説明では、ふつうは3〜6時間ほどです。
- 完成した声のメニューから「ライブラリに公開」を選び、名前、説明、言語や声の特徴、公開の約束期間を設定して申請します。運営の審査を通ると、ボイスライブラリに公開されます。

イレブンラボへの登録は、こちらから始められます。
手元の音声ファイルでも登録できる
公式の案内では、登録には最低30分の音声が必要で、2〜3時間あるとより良いとされています。
新しく録音しなくても、自分の声を録音した音声ファイルを持っていれば、それをアップロードして登録できます。僕も、以前に録音した自分の声の音声ファイルがあったので、それを使いました。動画などで話す機会がある方は、手元の音声が使えないか確かめてみてください。
録音の環境を整える
新しく録音する場合は、次の点を意識すると、環境を整えやすいと思います。
- 静かな部屋で録る
- カーテンのある部屋など、音が響きにくい場所を選ぶ
- マイクとの距離は、こぶし2つ分くらいにする(公式の目安)
- 最初から最後まで、同じ声の大きさと話し方で読む
声の審査は、思っていたより厳しいものでした。僕の音声も静かな環境で録音したものですが、それでも運営の方から「やや反響音がある」と指摘を受けました。
ちなみに、僕が使っているマイクは Blue Yeti(ブルーイエティ)です。最近は、SHURE(シュア)のマイクを使っている方も多いようです。
手間がかかるのは最初だけ
登録の作業には30分ほどかかり、それなりに面倒です。ただ、一度やってしまえば、その後は何もする必要がありません。僕がしているのは、ときどきサイトで、報酬がいくらになったかを確かめることくらいです。この手離れのよさは、期待どおりでした。
収益の記録
月ごとの報酬の入金額と、利用料です。金額は、実際に入金された額と、請求された額(税込)です。
月ごとの
| 1か月目 | 2か月目 | |
|---|---|---|
| 報酬の入金額 | 2,670円 | 0円 |
| 利用料 | 1,980円 | 3,960円 |
| 収支 | +690円 | -3,960円 |
※1か月目は2026年8月26日から、2か月目は9月26日からの1か月です。1か月目の利用料は、初月半額のキャンペーン価格です。
※2か月目の報酬は3.47ドルで、入金される金額(おおむね10ドル)に届かなかったため、入金はありませんでした。3か月目からは無料プランに変えたため、利用料はかかりません。
※掲載の数字は事例であり、成果や期間を保障するものではありません。
1か月目:初めての入金は2,670円
下のグラフは、1か月目の報酬の推移です。

そして2026年9月24日、初めての報酬として2,670円が入金されました。

正直に言うと、数百円くらいの収入かなと思っていました。初月から収入になったこと自体もうれしかったのですが、2,670円という金額には少し驚きました。利用料の1,980円を差し引いても、1か月目は690円のプラスでした。
2か月目:報酬は3.47ドルに減り、入金はなし
2か月目は、報酬が大きく減りました。1回目の入金の後から11月1日までの報酬は、3.47ドルです。

報酬は、たまった金額がおおむね10ドルを超えると入金されます。3.47ドルでは届かないため、2か月目の入金はありませんでした。一方で、利用料はクリエイタープランの3,960円がかかったので、2か月目の収支は赤字です。
2か月でやめると決めた理由
1. 赤字だから
声を登録するときは、クリエイタープラン(月3,960円)に入る必要があります。声を公開した後は、より安いスタータープラン(月6ドル)に下げても、報酬を受け取り続けられます。
ただ、2か月目の報酬は3.47ドルで、スタータープランの利用料にも届きません。どのプランにしても、利用料を上回るほどの収入にはならないことが、2か月目にしてわかりました。
2. 日本語の声を登録するライバルが増えているから
ボイスライブラリに日本語の声を登録している人の数は、次のように増えています。
- 2026年8月末:530人ほど
- 2026年9月末:594人
- 2026年10月末:715人
10月の1か月だけで、120人ほど増えました。かなりハイペースで、日本語の声を登録する人が増えています。
ライバルが増えるほど、自分の声は選ばれにくくなります。2か月目に報酬が大きく減ったのも、ライバルが増えて僕の声が採用されづらくなったことが、原因の1つだと考えています。
やってみてわかった、声の収益化の難しさ
実際に自分の声を登録してみて感じたのは、自分の努力で収入を増やすという基本的なことが、ほとんどコントロールできない、ということです。
集客数を増やすことができない仕組み
登録したら、あとは見ているだけ。この手軽さはあるのですが、逆に言えば、もっと声が使われるように自分で努力する手段が、ほとんどありません。録音の環境を良くすることはできても、自分の声が選ばれるかどうかは、プラットフォーム任せです。
売値(声の値段)の決定権がない
ふつうのビジネスなら、商品の値段は自分で決められます。ところがイレブンラボでは、声の単価はイレブンラボが決めています。僕が選べるのは公開の約束期間の長さだけで、値段を直接決めることはできません。
集客も単価も自分ではコントロールできないので、「今月はがんばって収入を増やそう」と思っても、そもそも打つ手がないのです。
クリエイタープランで登録できる声は1つ
クリエイタープランで登録できる声は1つです。さらに上位のプランにアップグレードすれば複数の声を登録できますが、かなり利用料が高くなり、初期段階ではあまり現実的ではないと思いました。そして登録した声を気に入らず差し替えようと思っても、公開の約束期間が終了するまでは差し替えができません。たとえば2年に設定していると、その2年が終わるまでは声の差し替えができないということになります。このあたりに不自由さを感じます。
まとめ:2か月で、やめると決めました
イレブンラボに自分の声を登録して、2か月がたちました。最初の登録作業さえ済ませれば手離れはとてもよく、初月から2,670円の報酬が入ったのは、うれしい驚きでした。
ただ、2か月目には報酬が大きく減り、利用料を上回るほどの収入にはならないことがわかりました。日本語の声が増えていることも考えると、この先大きく伸びるとは考えにくいので、ここでやめることにしました。
僕の声は、どちらかというと普通の声です。アニメのような声や、ちょっと特徴のある声を持っている方なら、選ばれる可能性はもっと高いと思います。特別な機材がなくても、手持ちのマイクで試せます。ただし、利用料を上回る報酬になるかどうかは、1〜2か月で見きわめるのがおすすめです。
手離れのよい収入を探している方へ
自分の声の収益化は、手離れのよさでは期待どおりでした。ただ、努力で収入を伸ばす余地がほとんどなく、利用料を上回る収入にもならなかった点は、やってみて初めてわかったことです。
僕の収入の中心である放置系ブログも、完成した後はほとんど手をかけずに続く収入の形です。放置系ブログの良い点は、収入の要素になる「単価と集客数」を自分でコントロールしやすい点です。収入をもっと増やしたいと思ったら、そこに向けての努力や改善ができる。こういう方が本業にはしやすいですね。
手離れすることに加え、自分で育てていける仕事をお探しの方には、「放置系ブログ」という選択肢も知っていただけたらうれしいです。